「咀嚼 効果」と一致するもの

一口に30回噛む習慣

一口に30回噛む理由を紹介しましたが、実際に一口30回噛んでみましょう。やってみると、案外難しいものだと気づくことでしょう。

自分の身についてしまっている「噛まない」長い長い習慣が、意外に根強いこともわかるでしょう。うまく噛めないという方に聞くと、たいていの場合、噛もうとしても、すぐ飲み込んでしまい、食物が消えてしまうから、という答えが返ってきます。そうした方のために、以下のような食べ方をお勧めします。

その1「口30回噛む食べ方」

  • 食物を口の中に入れたら箸を置く。
  • 右側の歯で5回噛む。舌を使って食物を左側の歯に送り、さらに5回噛む。同じ要領
    でもう一度左右5回ずつ噛む。
  • 最後に、両側の歯を使って、あと10回噛む。

これで、一口30回噛んだことになります。こんなことを一口ごとに行うなんて、とても大変と思われるかもしれませんが、これが最も基本となる噛み方ですので、とにかく慣れるまでは意識してやってみてください。噛み癖というのは幼児期に獲得した食習慣であって、これを矯正するのは大変に難しいことなのです。自らを「洗脳」するつもりで、新しい「噛み方」を脳に記憶させましょう。コツは舌の使い方です。通常、口の中に入った食物が舌の前側にあれば、舌の先端を使って食物を巧みに動かすことができます。しかし、舌の後ろ側に食物が行くと、反射的にゴツクンと飲み込んで(嚥下反射) しまいます。

早食いの人は、食物を舌の奥に置く癖があるので、噛もうと思ったときには、すでに食物は咽頭から食道へ飲み込まれてしまっているのです。したがって、よく噛むためには、食物を意識的に舌の前半部分(舌尖部)に置く必要があるのです。

トレーニング法としては次のような方法があります。水を飲まないように口に含み、舌先を動かしたり、軽く噛む練習をしてください。うがいをするとき、水がのどに人らないよう、舌の奥でのどを閉めますが、そのときの要領で水を飲まずに噛むことができれば、食物は絶対によく噛めるようになります。

この新しい噛み方が実際の食事で3日継続できたら、あなたは確実に肥満解消候補生です。そして、毎日、最低1〜2回体重計に乗り、最初のうちは増加がストップ(減少しなくてもよい) していることを確認できたら大成功です。

必ず2〜3週間後から体重が減少し始めます。ゆっくりと体重を落とし(1か月に1kg以内で十分) 適正体重に調整してください。

それでも、どうしても舌の使い方がうまくできない人は、ガムで練習することも効果的ですが、もっとよいのはおもちを使う方法です。おもちなら、一口30 回どころか、100 回噛みが必要になり、自然とよく噛むことが身につきます。

その2「おもちで「100回噛み」を習う」

  • ひと口大のおもち(約10g)を口の中に入れ、おもちが唾液と混ざり、ペースト状(硬めのお粥状態) になるまで噛む。

硬いおもちなら、電子レンジなどでやわらかくします。好みですが、磯辺巻き(のり巻き)、安倍川餅(きな粉)、ぼたもち(あんこ) あるいは力うどん(おもちの入ったうどん)、何でも結構です。

飲み込んでも安全な状態になるまで噛んでいると、噛む回数は軽く50 回を超え、100回くらいになるはずです。おもちをのどに詰まらせて、苦しい思いをしたり、窒息するのは、高齢者だけではありません。おもちを噛まない不注意な食べ方は命にかかわります。おもちは噛むことの大切さを教えてくれる祖先からの最高の贈り物といえます。

肥満の人は食前、食後にガムを

一口30回の噛み方の応用として、肥満の方のためにとくにお勧めしたい方法がありま
す。肥満指数が25以上の方は、ぜひこの方法を行ってみてください。

BMIと適正体重 - 高精度計算サイト
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228732

その3 「肥満症の方のための噛み方」

  • 食事の前にガム1枚(好きなガム) を5〜10分噛む。
  • 食事は、方法1と同じように一口30回噛む。
  • 食後にキシリトール入りガムを5〜10分噛む。

食事の前にガムを食べると十分な満腹感が得られると同時に、(食事量が約20〜30% 減少)食べ過ぎが防げます。また、食後にキシリトール入りガムリトールの割合ができるだけ多いものが望ましい) を食べるのは、(甘味料に占めるキシ口中の発酵を抑制し、口臭、虫歯、歯周病の予防にもなります。これは、とくに肥満の方でなくても、ぜひお勧めしたい習慣です。

その4「肥満で重度の生活習慣病を併発している方のための噛み方」

  • 食前にガム1枚(好きなガム)を5〜10分噛む。
  • 咀嚼記録簿を作成し、食事の問に一口ごとの記録をとる。ノートか記録紙を用意し、一口ごとに目標とした岨囁回数(20〜30回)を設定し、これが実行できた場合は○ 印、できなかった場合は×印を記入する。

さらに、この「咀嚼法」は、食事の開始から終了まで、医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士ならびに関係者が協力し、岨噛状況の確認、励ましや助言を行うことで、よりいっそうの効果が期待できます。このように記録をつける方法は、一口30回の咀嚼を身につけるのには非常に効果的です。肥満の方に限らず、学校などの食育の場面でも応用ができますので、噛み方の改善を望む方は真剣に取り組んでください。必ず効果が現われます。

食物の硬さと噛みごたえ

さて、噛むことは、顔の骨や筋肉の成長に重要な役割を果たしていますが、噛む力(咬合力)というのはいったい何kgぐらいあるものなのでしょうか?

人間の最大咬合力(咀嚼筋の筋力) はおおむね体重程度で、男性の平均瞭合力は1㎠
当たり約60kg、女性は約40kgです。

一般に、私たちが食べやすい食品とは、噛むときに加わる力が最大岐合力の25〜30%に収まっていることが目安となります。普通、食事をするときには、どの程度の力で噛んでいるのでしょうか?

食品ごとに必要な咬合力を数値化すると、たとえば、せんべいで1㎠当たり約14kg、ピーナッツで約12kg。みりん干しを噛むのには36kgの噛む力が必要ですが、ハンバーグやラーメンはそれぞれ2kgと0.6kgとなり、食品によって必要な瞭合力はこんなにも違います。

阻噛するときは、これだけの力が歯と歯ぐきにかかっているわけで、この力に耐えられる歯と歯ぐきの健康を維持しておかなければならないということです。

あごの力が弱くなっていれば、当然、咬合力も低下します。また、自分の歯を失い、総入れ歯になった場合では、咀嚼能力はふだんの35 %程度になってしまい、体重60kgの場合なら、最大咬合力は21kg程度にまで下がってしまうのです。

これでは、硬い食品を避けたくなるのも無理はありません。それでは、咬合力が強ければ、食物をおいしく食べられるのかというと、必ずしもそうではありません。

咬合力はあくまでも口の中に入ってきた食物を粉砕する力です。食物が口の中に入ってくると、前歯で切断する、臼歯ですり潰すなど、多様な咀嚼を展開しておいしさを味わうと同時に、噛んでいるという情報を刻々と脳に伝達します。

そして、その時間が長いほど、あるいは噛む回数が多いほど、脳神経細胞の活性化が効果的に起き、おいしく食べることができるのです。一般に、噛みごたえのある食品のほうが脳への人力情報が多くなり、やわらかくすぐ飲み込める食品は脳の活性化のチャンスを少なくします。つまり、普通の噛みごたえのあるものをよく噛んで食べることが脳の活力を維持するのに大切だということになります。

唾液の効能3「消化を助け、病気を防ぐ」

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よく噛んで食べることの基本的な効果に、「食物を細かくすり潰す効果」「唾液と混ぜる効果」の2つがあります。いずれの効果も、胃での消化を助けるためにとても重要です。消化するということは、もともと自分の体をつくつている構成要素ではないものを取りこ
り込んで自分の体の一部にしてしまう作用です。

本来、人問の体には、自分の体の構成要素ではないものが体に入ってくると、それを「異物」とみなして攻撃する働きがあります。これが免疫という生体防御機構で、体を守るための大切な働きの1つです。

この免疫システムは、まず第一に、外部から栄養を摂取しなければなりません。消化するということは、単に食物から栄養を吸収するということだけでなく、「異物」が持っている抗原としての働きが完全に消失するまで、食物を分解することでもあります。

食物の中に存在する分子構造で人にはない構造を抗原性決定群といい、これを破壊することが消化の重要な役割なのです。その大切な働きをする胃腸をしっかり手伝っているのが、歯(咀嚼)と唾液なのです。胃に入るまでに、食物が細かくなっていればいるほど消化しやすくなるというのは、誰でもわかる理屈です。しかもそれが、唾液というネバネバしたオブラートで包まれていれば、食道や胃への刺激も弱くなります。そのオブラート役をしているのが、唾液の成分の1つであるムチンという糖とタンパク質の複合体です。

よく噛めば食物は小さくなりますが、その1つ1つをムチンがきっちり包み込んでいるのです。人が口にする食物はそれぞれ、熱い、冷たい、辛い、苦い、しょっぱいなど、かなりの刺激性を持っています。味覚を楽しむのは脳なので、これらの感覚刺激は食味として脳にとってはうれしい要素なのですが、食物を分解して「自己化」しなくてはならない胃にとってはありがたいものではありません。

むしろ、刺激性の強いものは食道や胃壁を荒らす敵なのです。そこで、胃への刺激を少しでも減らそうと活躍しているのがムチンというわけです。ですから、塩辛とかキムチなどの刺激物が好きな人は、食べる際はとくによく噛むことが大切です。

辛さや苦さを味わうのは、口の中だけにとどめるということです。よく噛めば、脳も十分満足します。しかも、そうしている問に、唾液中のムチンががんばって刺激物をオブラートのように包み、飲み込みやすく、しかも胃に負担をかけないようにしてくれます。こう考えると、よく噛まないで、唾液が分泌されないうちに食物を飲み下してしまうことや、酒類の一気飲みがいかに体に悪いかがわかるでしょう。

また、熱いカレーなどをほとんど噛まずに飲み込み、食道で熱くてたまらず、あわてて冷たい水を飲むような食べ方は、食道がん、胃がんの原因にもなりかねませんし、胃腸の働きを低下させる最悪の食習慣といえます。

歯科医院を訪れた患者が、胃腸を悪くしているケースは少なくありません。歯が悪くなると、「よく噛めない→ 食物の大きな塊が完全にムチンにくるまれずに胃に入る1刺激物が胃壁を荒らす」と、絵に描いたような悪循環の図式ができあがります。

ですから、歯が悪くなれば、当然、胃腸も悪くなるのです。少しくらい歯がうずいても、なかなか歯科医院に行こうという気にならず、しばらく放っておく。するとそのうち胃が悪くなつてくる。それはよく噛めないことが原因だったわけです。歯と胃は連動していて、互いに助け合っていることを忘れてはなりません。

唾液分泌のメカニズムと唾液の効能7項目

咀嚼=ダイエット

この「よく噛む」ことによるダイエットは、実際に臨床的にも応用されるようになっています。

糖尿病性肥満症患者の治療に実施している「岨噛法」がそれです。一般に、肥満タイプの人に共通するのは「早食い」、つまり「噛まないで飲み込み食い」をしていることです。単に口の中に食物を入れてから飲み込むまでの時間が短いというだけではありません。箸を動かすスピード、噛むスピード、飲み込むスピードも速いのです。当然、よく噛んで食べることもできません。

このような状態では、神経性ヒスタミンが量産されないため、満腹中枢は刺激されず、余剰エネルギーも消費されないので肥満になる、という悪循環に陥るわけです。

糖尿病と診断され、生活習慣の改善が迫られた場合でも、早食いの習慣を改善するのは至難の業です。いくら私たちが「よく噛むことが大切ですよ」「一口30回噛みましょう」と力説してみても、ふだんから早食いに慣れている患者さんが実際に訓回噛むのは、そう簡単なことではありません。

噛むことの効果を本当に理解してもらい、習慣化するように医療者が誘導することが必要です。その方法の1つが「咀嚼」なのです。

この咀嚼法というのは、食事の際に、1口ごとに30回噛めたら「○」、噛めなかったら「×」というように、1週間分の食事を記録してもらう方法です。

ほとんどの肥満症患者は早食いの傾向にありますから、余裕があって熱心なときには噛みすぎるほどですが、意識が集中できないときには、まったく噛まずに飲み込んでしまいます。咀嚼法導入の当初は、一口で口に含む量を多くするなどの工夫をしますが、もともと食事時問や咀嚼回数そのものが極端に少ないので意識改革からはじめる必要性があるのです。

最初は、「いつものスピードで食べたい」とか「あごが疲れます」といった訴えが多く、記録用紙には「×」が並びます。しかし、徐々に「○」の数が増えてきたことを自分の目で確認できるようになると、意欲的によく噛む習慣を実行するようになります。

すると、「不思議ですね。以前より少ない食事量でお腹がいっぱいになります」という驚きの声が聞かれます。咀嚼習慣が身についた段階では「薄味が好みになりました」とか「油っぼいものを食べたくなくなった」などの変化も生じ、糖尿病の食事療法のうえでも大変有効な連鎖反応が現れます。

また、食前にガムを5~10分間程度噛んでから食事を開始すると、いっそう良好な結果が得られます。この記録は、糖尿病患者でなくても、ちょっと肥満が気になる高血圧や高脂血症などの生活習慣病予備軍の方にも有効です。

一口30回の岨噛を習慣づけるためにも、食事ごとに一口30回噛めたかどうかを記録してみることをお勧めします。

よく噛んで食べても食べ過ぎてしまったときは、

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肥満防止効果、ダイエット効果

「噛む」ことによる筋肉の動きやそれに伴う刺激などの感覚情報は、すべて脳に伝達されます。食物などを噛み始めると、それに伴う感覚情報が、まず歯を骨にくっつけている歯根膜などで捉えられ、脳の三叉神経中脳路核という中枢に人力されます。

すると、隣接する後部視床下部が刺激されて、大量の神経性ヒスタミン(脳内の神経と神経を連絡する化学伝達物質の1つ)という物質の生成が促進されます(。この「神経性ヒスタミン」という物質の生成が、肥満防止のカギです。

  1. 満腹中枢を刺激して、食べすぎを防ぐ この神経性ヒスタミンによって作動する神経回路が満腹中枢(視床下部腹内側核) を活性化することは、多くの研究者によって確認されています。

    したがって、食物を噛むという行為そのものが満腹中枢を刺激しますから、よく噛んで食べれば「もう、お腹がいっぱいになった」という感覚が生まれ、食べすぎを防いでくれるのです。

    しかし、よく噛まない「早食い」をすると、この満腹中枢は作動しません。ですから、ファストフードなどをよく噛まないで腹がふくれるほど食べても、ズボンのベルトを凄めて、さらに食べ続けてしまうのです。やわらかい食物は、よく噛まないでも飲み込むことができますから、とくにこの傾向が顕著になります。

    「好物は別腹」、「脳がまだ食物を欲しがっている」とか「おいしくてどうにも止まらない」という状態は、明らかに満腹中枢が働いていない証拠なのです。

    一方、満腹中枢は、別のルートでも活性化します。やはり、噛むという行為により、肝臓や筋肉などに貯蔵されている糖分(グリコーゲン) がグルコースという形で血液中に放出され、血糖値が上がります。

    この信号が脳に届くと、満腹感をつくり出すさまざまな化学物質が増えて、脳の満腹中枢を活性化し、食べすぎをストップさせてくれるのです。ネコの満腹中枢を破壊する実験をしてみると、満腹感が得られず、食物を食べ続けてしまい、子犬ほどの大きな身体になってしまいます。「満腹を感じる」ことの大切さを考えて欲しいと思います。

  2. 内臓の脂肪を分解する また、噛むという行為は、体に蓄積されている栄養、とくに体脂肪の分解を促進させ、活動のためのエネルギーに転換することを可能にする「引き金」として、肥満防止に有効であることがわかっています。

    激辛、アツアツの鍋焼きやラーメンを食べると、誰でも汗ばみます。食物の温かさやトウガラシのカブサイシンなどが体温を上昇させるからです。しかし、冷麺や冷やし中華などを食べても、体が温まる経験をしたことはないでしょうか?

    実は、どのような食事をしても、よく噛むだけで、酸素消費量が急上昇して、体が温まるのです。これを、「食事による体熱産生反応」と呼びます。噛むことによる感覚情報はすべて脳に伝達され、神経性ヒスタミンが量産されることはすでに述べました。

    この神経性ヒスタミンによって、交感神経の活動を調節している脳中枢が活性化され、全身のエネルギー代謝が促進されます。したがって、冷たいものを食べても酸素消費量が増加し、体温も汗ばむほどに上昇するのですパrト体内の脂肪が燃焼して消費エネルギーが多くなり、体内に蓄積されるエネルギーが少なくなりますから、贅肉が取れてスリムな体に向かうというわけです。

    カナダのケベック大学のダイアモンド教授らは、イヌを使って食事による体熱産生の実験を行い、食後1〜2時間にわたって、大変興味深い体熱産生の変化を発見しました(。このエネルギー産生には咀嚼をしたことで急上昇する第1相(食後40分以内)と、食物が胃に到達してからゆるやかにエネルギー産生が増加する第2相(食後40分~12 0分) とがあります。

    とくに、第1相のエネルギー産生は、脳にある満腹中枢を働かせる信号になります。よく噛んで食べれば、体熱産生反応が高くなり、消費エネルギーが多くなります。噛まない、噛めない食事をすると、体熱産生は低く、消費されるエネルギー量が少なくなり、余剰エネルギーが体内に蓄積されて、肥満傾向になります。

    人間でも同じで、現代っ子の噛まない食べ方は体熱産生が低く、肥満になりやすくなります。また、反対に普通の食事( アツアツでない) のあと、30分程度で体が温まり、タオル、おしぼりで顔を拭きたくなる程度に汗ばんだら、それはしっかり噛んだという証です。

この原理を知っていれば、次のような応用もできます。 たとえば、山で食物を持たないで遭難した場合を想定してみましょう。

このようなと き、動き回りすぎて体力を消耗させないこと、体温の低下を防ぐこと、眠らないことが 大切だとよくいわれます。 そこで、私からのアドバイスです。食物がなくなったら、まず、ベルト、タオル、靴 ひもなど、噛めるものなら何でもいいですから、それを「懸命に噛むこと」です。すると、 「噛む」ことで、体熱産生反応の第1相を作動させ、自分の体内に備蓄している脂肪や 糖質を燃焼させて、体温の低下を防ぐことができるのです。

このような場合、肥満体の 人のほうが、体内に脂肪という「携帯食」をたくさん持ち歩いているのだといえます。 同様の観点から、人間以外の動物に目を向けてみましょう。 胃袋が空っぽの飢えた動物は、獲物を見つけて跳びかかっていきますが、相手に噛みつくことによって、体内に蓄積されている糖質や脂肪を血液中に放出させ、激しい運動 を可能にするエネルギーをつくり出しています。この際に消耗した栄養物質は、相手に勝ち、それを食べることによって補給することができるわけです。

このように、噛むことは、自分で自分の体を食べること、といってもよいかもしれません。最新の研究では、大分医科大学名誉教授の坂田利家民らが、阻噛が脳内のヒスタミン神経系に作用し、これによって体内の内臓脂肪が燃えることを明らかにしています。

神経性ヒスタミンは、重要な生理活性物質(身体の正常な働きを促す物質) として炎症や免疫系の調整などにも影響を及ぼしますが、「噛む」ことによって神経性ヒスタミンが量産されると、満腹信号として働くだけでなく、食事の速度を調整する(がつがつ食べなくなる)ことがわかりました。

さらに、神経性ヒスタミンは交感神経の中枢核に働き、末梢でのエネルギー代謝を促進して、白色脂肪に作用することにより、脂肪を分解してくれることも明らかになっています。白色脂肪というのは、全身にありますが、とくに下腹部、お尻、太もも、背中、腕の上部、内臓の周りなどに多く、体内に入った余分なカロリーを中性脂肪の形で蓄積する働きがあります。体重がそれほど重いわけではないのに、下腹部やお尻などが太っている体型の方は、この部分に白色脂肪が多いことが原因です。

このように、噛むことで量産された神経性ヒスタミンは、食欲抑制、内臓脂肪分解に寄与し、肥満防止に大きな効果があるのです。しっかりよく噛んで食べることは、特別なダイエット法を講じることなく、また特殊な健康器具を使うこともなく、誰もができる一番簡単な究極の健康法であり、究極のダイエット法といえるでしょう。

しっかり噛むだけでスレンダー はしっかり噛むことでダイエットになる理由がわかります。

ダイエットに必須の還元型「コエンザイムQ10」

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ダイエットを本格的に行うとしてまずはどんなサプリを選ぶでしょうか?美しく健康的にやせようと思ったらまずは「αリポ酸」「コエンザイムQ10」を選ぶはずです。または、最初から両方を使う人もいるでしょう。

教科書どおりに使用するならまずは、コエンザイムQ10、あまり効果が感じられなかったらαリポ酸も。といった感じでしょうか?

現在一般的に市販されているコエンザイムQ10の多くは、空気中で安定した状態を保つために酸化型のものとなっています。しかし体内で活性を発揮するQ10は還元型。

コエンザイムQ10 には、酸化型と還元型があり、体内で活性を示すのは還元型であることがわかってきました。
一般的なサプリメントなどの形で摂取された酸化型のQ10も、吸収される際に還元され、体内では還元された状態で存在している。それらが肝臓に蓄えられたあと、血中に放出され、そこで酸化ストレスにさらされて酸化型になり、再び肝臓で還元されるという動的平衡が、人間の体内では保たれているのです。

活性酸素によって作られたラジカルを消したり、抗酸化物質であるビタミンE を再生したりするQ10のユニークな抗酸化活性や、生体内のエネルギー源として重要な役割を果たすATP の生合ふかつ成を賦活化するQ10の働きについて、その重要性を力説した。

ATPの合成を盛んにするQ10が働き、体内にATPが豊富にある状態になると、全身の機能が活性化されます。心機能改善、血圧コントロール改善、血糖コントロール改善、疲労改善、精神ストレスの改善、咀嚼機能改善など、Q 10の摂取によって期待される作用は、もともと生体が持っているそうした機能が、ATPによってきちんと機能するようにしてやることで起こるのではないかと考えています。

加齢、あるいは糖尿病、高血圧などの病気によってQ 10の還元能力は低下します。そして体内のQ 10の酸化型の割合が高まると、疲れが取れにくくなり、体の不調が現れてきます。
コエンザイムQ10(CoQ10)はこんな人に向いている

現代人は酸素不足

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口呼吸だと風邪をひきやすくまた、体内の酸素が低下する

鼻でするか、口でするか?、同じ呼吸ならどちらも同じ?と思ったら大間違い。鼻は天然のマスクであり加湿器でもあります。口呼吸ではウイルスの侵入を防ぐこともできず、十分な酸素を全身の細胞に送り届けることもできないのです。
交差点で信号待ちをしているときや電車内で、まわりの人を観察してみたことがありますか?
口がポカンと半開き状態の人がものすごく増えていることに気づくでしょう。恥ずかしいことに文明国で口呼吸がもっとも多いのが日本人だといわれているほどです。特に心配されているのが、若い人や子どもにこのポカンロが多いこと。

まぬけ顔、老け顔に見えるだけでない!

ポカン口は見た目がだらしない、というだけでなく、次のような身体的な弊害を引き起こします。

  1. 正しい呼吸ができずに、ウイルスや雑菌を口から直接取り込んでしまう。
  2. 汚れた空気で扁桃腺を刺激して免疫機能を低下させ、アレルギーやぜん息を引き起こす。
  3. 肺に圧力がかかりにくいので浅く細い呼吸になり、全身に酸素を届けられず細胞を酸欠状態にしてしまう。
  4. だ液が乾いて口中の殺菌力が低下し、口臭、歯周病や味覚障害を招く。
  5. 口輪筋が緩むため脳が刺激されず、集中力の低下が起こり、思考力の減退、無気力感に襲われる。

口呼吸の原因

ポカン口の原因としては、日本人に早食いが多く、噛む回数が少ないことや、免疫系の機能低下により花粉症などのアレルギー疾患がやたらに増え、鼻呼吸ができないなどがあります。なかには花粉症の時期に口呼吸が習慣になってしまった、という人も多いようです。また免疫力は睡眠中に強化されるため、質のよい睡眠を取ることが大切なのですが、いびきや睡眠時に呼吸が一時的に止まる「睡眠時無呼吸症候群」によって、深刻な酸素不足を招いていることも問題となっています。

口呼吸を治すには、本人が意識して鼻呼吸を心がけるしかありません。鼻の具合が悪い人は、まず耳鼻咽喉科で診察を受け、呼吸法の改善に向けて強い意志を持つことが大切です。

特に毎日の食事は1口に最低でも30回は噛む習慣をつけましょう。よく噛むことは、胃腸や心臓の調子をよくするだけでなく、免疫力の強化にもつながる大事なこと。当たり前すぎて軽視されがちですが、酸素を体内に取り入れる「呼吸」という営みは、人間にとって生命維持活動の基本です。これが正しく効果的に行われなければ、健康を維持することはできません。

よく噛んで食べるという咀嚼健康法

酸素の重要性についてはこちらがわかりやすく解説されています。